逆転し始めた「潮目」のなかで
2008年 09月 17日
さとうしゅういちさんのそんなに必要?1兆ドルの外貨準備は国民のために活用を!や菊池英博さんの自分のために自分のおカネを使えを取り上げてみたいと思いますが、次回にでも・・・。と書きましたが、もう1ヶ月近くが過ぎてしまいました。いつものことですが、情けないです。
その間に、日本の政治が大きく動き出し、バタバタの毎日ですが、昨日のリーマン・ブラザーズ破綻のニュースには衝撃を受けました。たまたま復活!三輪のレッドアラート!さんのところで、「時代は巡る」を読んだばかりでしたし、そこからジャパンハンドラーズさんの「竹中平蔵逮捕」くらいの衝撃がなければ、日本は目覚めない。をのぞいて、久々に、ライブドア、サウスイースタン、M&Aコンサルティングや「事前相談なしで通ったものは、これ1件だけです。」-日本振興銀行の銀行免許を読み返してみたところでした。
月曜日の7時のニュースで、破綻のニュースを聞いたとき、すぐに、内橋克人さんの『悪夢のサイクル』を思い出しましたが、友達も、内橋克人さんの話が聞いてみたい、と言っていました。最近、テレビにも出演されず、残念ですが、少し前(8月3日)の中国新聞に、『福田改造内閣の課題-「不均衡国家」の是正を』という内橋さんの文章がありました。(静岡新聞から転載、紹介されているブログがありました。)そこには、
改革が十分な成果を上げられないのは「改革が不十分だから」と説く「改革ハングリー」の人々もなお存在する。そうした人々は過去の南米チリとアルゼンチンの例に学ぶべきだろう。と書かれていましたが、今後は、「アメリカの例に学ぶべきだろう。」となるのでしょうか。
実際に、「改革ハングリー」の人たちにだまされる人たちはまだまだ多くて、無駄を省く=緊縮財政=もっともっと改革を というような流れで説明されると、政府がやるべきことをすべてバラマキという言葉におきかえてしまっても、そのとおり!と思ってしまうのでしょう。
内橋克人さんは、
「2011年基礎的収支均衡」といった数字にこだわり、財政再建にはやるよりも、喪失しつつある共同体を回復させ、均衡のとれた経済、国家として「社会統合の復興」を目指す。21世紀の構造問題にどう取り組んでいくのかを考えなければならない。と文章を結ばれています。
それでは、今、日本政府がすべきことは何なのでしょうか?日本財政を考えるさんのところに、菊池英博さんの『増税が日本を破壊する~本当は「財政危機ではない」これだけの理由~』 の内容が掲載されていますので、そこから気になっている部分を取り上げます。
さとうしゅういちさんも、そんなに必要?1兆ドルの外貨準備は国民のために活用を!と書かれていますが、外貨準備として保有している996,741百万ドルの資金は、1999年9月以前のように、すべて日本銀行の資金で賄うべきだと菊池さんは書かれています。
菊池さんの言葉を「 」で引用しながら、まとめます。
「外貨準備をわれわれ国民の預金で調達すると、国民の預金がそっくり海外に出てしまう」ので、どこの国でも「国の代理として中央銀行が自分の資金で外貨を調達し、保有している」そうですが、「1999年10月から、政府は外貨買取りの円資金調達のための政府短期証券を市場に売り出し、主として一般の金融機関がこれを購入することになった」とのこと。
「このうちの多くが、アメリカの国債に投資されている」けれども、「アメリカはすでに日本が投資した国債を減資として減税をし、経済を活性化している」ので、「国債を売ることは政治的にも難しい状況に」ある。「そこで、1999年9月までの状況に戻して、外貨準備は日本銀行の資金で保有してもらうようにし、われわれの預金は、われわれのために使うようにすればよい。」と菊池さんは書かれています。
具体的には、「政府が新規国債を発行するとともに、日本銀行は市場で揮発の国債を買い取っていく。こうした操作を継続していけば、外貨準備の円資金は日本銀行の資金で調達されたことになり、新規の国債はわれわれ国民の預金で調達されたことになる。」「この操作で、政府としては政府短期証券が普通国債に変わるだけで、発行総額に変更はない。」と書かれています。私の頭では、何回読んでも、今ひとつ、整理がつかないのですが、そういうことになるそうです。
詳しくは、
自分のために自分のおカネを使え
国債価格は暴落しない(1)
を読んでください。
この本は、2005年12月に書かれたものですが、現在の状況では、何をすべきなのか、まだ間に合うのか、が知りたいです。
山口県の方々にも読んでもらいたくて、
山口ブログに参加しています。でも、更新をさぼっていたので、ランキング下降中。上位に復活できますよう、ご協力を!
リーマン・ブラザーズ破綻に関するニュースの中に、日本法人に行政命令=国内資産の海外流出防止へ-金融庁というものもあり、テレビには、茂木大臣の姿がありました。政府は、国内資産の国外流出を防ぐためのさまざまな努力をお願いしたいと思います。それなのに、「改革ハングリー」の方々は、外為資金でアメリカの金融危機を救うべし 高橋洋一(2008年9月号)とか、「民営化した郵政はアメリカを救え」とか言われているそうです。(ジャパンハンドラーズさんのところの高橋洋一はやはり「竹中バネ」が強すぎるくせ者より)
郵政民営化が、こういう方々により進められたと思うと、愕然とします。
阿修羅から、原田武夫国際戦略情報研究所公式ブログ の懲りない面々へのレクイエム―――高橋洋一「さらば財務省!」を読んで に行ってみましたが、高橋洋一さんが、郵政民営化の基本骨格づくりについての記述のなかで、米国による“破壊ビジネス”の傷跡を(意図せずして)赤裸々に語っている、と書かれていて、興味深いです。
そして、
構造改革とは、とどのつまり、「自分たちの身の丈以上に消費をすることで経常収支赤字が恒常化した米国が、マクロ経済上の相殺を資本収支の絶えざる黒字化のために、とりわけ国富を溜め込んだ国に対して強いているビジネス・モデル」にすぎない。そのお先棒を担ぎ、国富の米国への移転を手伝っているのが、日本の政界・財界・学界・官界・メディア界にあまねく生息している“破壊ビジネス”の担い手たちなのである。とあり、またまた“小泉的なもの”をうまく表現されていると思いました。まさに、「改革ハングリー」の人たちは、日本の国富を米国へ移転する“破壊ビジネス”の担い手以外の何ものでもないと思います。4月23日に書かれたものですが、「変わり始めた「潮目」を貴方は感じているか?」と書かれていました。
(お約束の時間がせまっているのに追記:9月17日10時)世に倦む日日が、リーマン・ブラザーズの破綻とその影響 - 竹中安心理論の崩壊で、
世界のカネを米国に集めていた集金装置(投資会社)が消えると表現されていました。まだ、丁寧に読めていないけど、おもしろい。
とくらBlogより転載。